6.1/2023

もうすぐ、『インディー・ジョーンズ』第5作が公開される。

今回がシリーズ最終作となるらしい。

 

過去作品を振り返ってみると、「1」「3」「4」はいずれも道徳心のある主人公を応援している。(2は覚えてない)

いずれも、「超越的なものに対する畏怖を持ち、誇大妄想を抱かずに身の丈にあったことをしなさい」と訴えている。

 

最新の映画作品はなんとなく一般的に、知能というか、賢さを基盤にしている気がする。

その一方で、往年のスピルバーグ作品は当時の観客の道徳心をつかんだ娯楽作品を提供している。

道徳心から、知能や論理、「正しさ」へ。映画作品が基盤とする価値観の変遷だろうか。

 

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『インディー・ジョーンズ』シリーズに限らず、『ジュラシック・パーク』もまた、恐竜に対する愛と適切な恐怖心/畏敬をバランスよく備えている。

同様に怪物に対する恐怖心を煽る『ジョーズ』はどうだったろうか。

『激突!』から開始したキャリアを踏まえると、スピルバーグは恐怖心を上手く扱って娯楽作品に仕立て上げていると言えるだろう。

 

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『インディー・ジョーンズ』シリーズには数々の宝物が登場し、作中人物たちはロマンと魅力に惹きつけられて冒険する。いずれの宝物はまた危険性を持ち合わせており、その点は恐竜と同様だ。

「手に入れた宝物をどう扱うか=道徳心(倫理観、ではない)」によって人はふるいにかけられる。

 

「宝物を所有はすれど行使せず、ロマンや憧れの対象として留める」人々と、欲望や権力欲、支配欲ないし物質欲によって破滅する人々とを、対比させる教訓的内容が、子供向けでもあり、大衆的感覚に訴えかける娯楽作品らしさも感じさせる