6.12/2023 -その2:C.ノーラン『インセプション』論/メタ体験、入れ子構造

INCEPTION (2010)

 

潜在意識は、人間の無意識な行動選択(行動決定)に深く関わっているという。

「潜在意識への介入と、それを操作する試み」といえば、映画もまた、人間の内部に眠る意識を呼び覚まし、ガイドする。

 

映画作家は、自身が抱く「イメージ」を映像として固定する。

映像が、視聴者の「イメージ」を深く呼び起こすほど、映画と視聴者のあいだに発生する共振は大きい。

 

より"moving"な作品を製作することは、映画作家にとって1つの目標である。

映画作家が"moving"な作品の設計を試みるように、映画の主人公が、個人を駆動する夢を体験させようとする。

 

INCEPTION は、「人間の行動に変革をもたらす夢」を見せる主人公の姿を通じ、観客の心を動かす取り組みである。

 

このことに気がつくとき、私たちは、「映画を観ている自分自身の姿」を俯瞰(メタ認知)し、映画の中には登場しない映像作家の姿が浮かび上がる。

 

Cf. Doodlebug (1997)

 

3/15

 

 

 

通常、『トゥルーマン・ショー』『マトリックス』『シャッターアイランド』などにおける「メタ的な気づき」(真実の世界を知る気づき)は、観客の想像力の世界内で完結するのだけど、『インセプション』においては、序盤に「想像界における気づき」を体験させたあと、スクリーンという想像界と観客にとっての現実界とのあいだで、メタ的な気づきを成立させている点が真にリアルで生々しく感じる。ということを自分は言いたかったっぽい

3/19

 

 

 

INCEPTIONの照明、すべてペンローズステップを映像化するために仕組まれている説

The Prestigeに登場する中国人奇術師ってこと?

4/1